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二つの汗腺②


エクリン酸の持つ三つの働き、単なる多汗による汗臭さなのに、
じつはワキガではないかと悩んでいる人は少なくないでしょう。
多汗によるニオイとワキガ臭は明らかに異なるのですが、
この違いに深く関係しているのが、エクリン腺とアポクリン腺なのです。




まず、エクリン腺ですが、ここから出る汗は、発汗のしかたによって次の三つに分類されます。
ひとつめは、温熱性発汗です。
これは、暑いときや運動をしたときなど、
体温を調節するために体全体から出る汗で、体温を37度に保つための生理的な汗
です。
二つ目は、精神性発汗です。主に手のひらや足の裏、わきの下などの局部にかきます。
緊張や驚き、不安などから起こる「冷や汗」も精神性発汗のひとつです。
最近は、このような汗を気にする人が増えてきているようです。
しかし、ちょっとした緊張にも反応して、手のひらや足の裏に異常に汗をかくようなときは、
「多汗恐怖」「発汗恐怖」が疑われます。

このような場合は、精神性発汗とは区別し、心理的な治療が必要となる出しょう。
三つ目は味覚性発汗といって、
辛いものや熱いものを食べた時に、額や鼻、唇の周囲、首などにかく汗です
このように、エクリン腺からでる汗は、生理的な汗であることがほとんどです。
多汗の場合の汗も、たいていはエクリン腺からの汗なのです。




■暑いところの人は、寒い所の人より、働く汗腺が多い
エクリン腺は全身に広く分布し、汗腺の数は平均350万個、
少ない人で200万個、多い人で500万個あるといわれています。
しかし、存在するすべてのエクリン腺から汗がでているわけではありません。実際に活動している汗腺を「能動汗腺」と呼びますが、
これはエクリン腺全体の半分程度で、汗の量は能動汗腺の数に影響されます。
能動汗腺の比率は、生後約3年のうちに過ごした環境で決まると考えられています。熱帯地帯で生まれ育った人は慣例地帯で育った人より能動汗腺の数が多く、
猛暑下での体温調節をスムーズに行えるようになっているのです。
また、能動汗腺は額や手のひら、足の裏に多く集中しています。

■アポクリン腺の汗はニオイがあって当たり前
一方、アポクリン腺の量は、遺伝の影響もありますし、人種や個人によって差があります。
アポクリン腺の役割は本来、
体温の調節ではなく、体臭の原因となるニオイのある汗を作り出すことです。ですから、多くの動物は、個体の認識や仲間同士の確認、
異性をひきつけるフェロモンのような役割をアポクリン腺が担っており、腺組織も発達しています。
しかし、人間では、体毛の退化にともない、アポクリン腺は徐々に退化してしまいました。
体毛の代わりととして、寒さをしのぐために衣服を着込み、
暑さをしのぐために体温調節を持ったエクリン腺が新たに進化したと考えられています。
そのため現代人のアポクリン腺は、わきや性器の周辺などの局部にしか存在しないのです。
ワキガ臭はアポクリン腺からのニオイなのです。